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ニルヤの島

2024


「不在」をテーマにしたアンビエントミュージックのイベント。イベント名は、柴田勝家の小説『ニルヤの島』より。 この物語から、私は記録された情報と、記録されなかった情報に注目した。特に着想を得たのが、 小惑星探査機「はやぶさ」が最後に撮影した写真だ。
この写真の下部がグレーの一色なのは、送信途中に大気圏に突入し、送信が途絶えたためである。
つまり、写真に写っていない部分、すなわち「データの破損」がメッセージとして機能している点が非常に興味深いと感じ、そこから着想を得て、この「不在」の部分をデザインの中心に据えた。
この広報物では、情報が欠落することで逆に何かを伝えるという矛盾を扱い、鑑賞者がその「不在」を感じ取れるように構成した。視覚的な要素とともに、構造的な不在をどう表現するか考え制作した。

(『ニルヤの島』(柴田勝家)は、生体受像の発明により人生のすべてが記録され、死後の世界という概念が否定された未来を描くSF作品。)